「じ」

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「今日の夜ご飯は なんだろなー。」 エレベーターに乗って 10階のボタンを押すと、 エレベーターは ゆっくりと扉を閉めて、 上に上り始める。 小さい頃は 「エレベーターに 閉じ込められたら どうしよう!! 1階に向かって 落ちたらどうしよう!!」 みたいな感じで ちょっと怖い時も あったけど、 さすがに10階まで 階段で上ったり下りたりは ダルイから結局使うしか なくて、すぐにどうでも よくなったね。 「新ー、 明日って古典の小テストの 日だよねー?」 わたしがあくびをしながら 尋ねると、新は、 「あ、ああ? あー、うん、 確かそう。」 なんてものすごく 歯切れの悪い返事をした。 「なによー、 あんたもしかして今の 適当に答えた??」 「んなわけねーじゃん、 あるっつーの。」 そういって頭を バリバリ掻く新。 ふーん、やっぱりあるのか。 そうしてるうちに エレベーターは10階に ついて、 扉がまたゆっくりと開いた。 「あー、ヤダな、 古典の小テストって なんであんなに頻繁に あるっ――――――、」 言いながらエレベーターから 出ようとした瞬間、 新にグイッと腕を掴まれて、 エレベーターの中に 引き戻された。 そして、 エレベーターの扉が また静かに閉まった。
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