「み」

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「うわ、 あの人、 頭ぶっ飛んでない・・・?」 花蓮も相当びっくり したみたいで、 いつものふわふわした 喋り方も吹っ飛んで、 じっとハマダくんの 後姿を見てる。 わたしは、 頭が痛くなってきた。 嘘でしょ、 あいつ、あそこまで 面倒なタイプだったの?? もっとキツく振れば よかった・・・・・・!! ――――――――― ―――――――――――― 「佐伯ちゃーん、 気を付けなよ~? ああいう人、 何するかホント わかんないから。」 お昼休みの時間。 花蓮がお弁当に入ってた ミニ春巻きを食べながら、 心配そうにこっちを 見て、さっきの言葉を 言ってきた。 あのあと、 帰りの移動教室の時も ハマダくんに出くわして、 (というか、もはや 待ち伏せされてたんじゃ) 散々 「ともえは素直じゃないな♪」 系の勘違い発言を されたあげく、 背中までポンポンされて まじで吐き気しかしない。 なんでだよ、 わたし確かにあの人 振ったと思うんだけど。 「わたし、生まれて 初めて告白されたのに、 何でそれがよりにもよって あんなイカれた野郎・・・」 もはやお弁当を食べる 気力すらわかなくて、 わたしはグターーッと 机に伏せる。 意味わかんない、 誰かヘルプミー。 そう思ってわたしが 苛々してると、 誰かがわたしのつむじを ギュッと押した。
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