「み」

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「・・・・・あ゛?」 ゆっくりと顔をあげると、 そこにはニコッと 笑った新。 「ふははははは、 そこは痔になるツボだぞ、 ・・・あれ、 今機嫌悪い?」 いつも通りふざけながら わたしに話しかけてきた 新だけど、 わたしの顔を見た瞬間、 笑顔がひゅっと引っ込んだ。 ・・・・あー・・・ あのハマダくんの ニタニタ笑いを見た後だと、 新のやたら整った顔が マジで輝いて見える・・・。 今、この瞬間、 「目の保養」 ってどういう感じか 身をもって体験したわ。 「・・・どしたの、春崎、 なんか用?」 わたしがぶっきらぼうに 声をかけると、 新は口を尖らせながら ジッとこっちを見てきた。 「いや、数学のノート 見せてって頼もうと したんだけど・・・・・ 佐伯サン、 なんか嫌なコトあった? 大丈夫か?」 そう言ってわたしの 顔を覗きこむ新。 ・・・・・どんだけ 良いヤツなのよ、 こいつ。 わたしはぼーっと新の 顔を眺める。 こうやって わたしのことすぐ 心配してくれるなんて、 だめだよ、 嬉しすぎる。 あー・・・・ なんか、 今猛烈に新に甘えたい。 2人乗りして、 新の背中に引っ付きたい。
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