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会社の秘密の駐車場に停めてある真っ赤なバイクに
跨がって、おなじみの真っ白な大きな袋を
肩から担ぐ。
「今年はどのルートで行こうかな。」
スマホで地図を確認してから、エンジンをかけた。
さぁ、出勤の時間だ。
粗い音をたてて発進したバイクは、暫く走ると
少しずつ宙に浮き出す。
そのまま外へ飛び出すと、夜空へと真っ直ぐに
走り出した。
え?サンタにはソリとトナカイじゃないのかって?
残念ながらそれは大昔の話。
俺のひい祖父さんの頃の話だ。
だいたいソリだと速度が遅いから、かなり時間が
かかるからな。
この最新式のバイクなら12時になる頃には
全てプレゼントを配り終えることができる。
なんたって最高速度は音速だから。
ネオンに輝く街を見下ろしながら、俺は先へと
急いだ。
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