誰かの落としたガラス玉

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 私は人の落とした『夢』が見える。  夢はまるでガラス玉のように小さくて、キラキラ光っていて、見つけた瞬間はきれいだなって思うんだけど、それがそこに落ちているということが、この夢を本人が忘れてしまっているということでもあって、すぐに寂しい気持ちになる。 「あ……」  それでも。ときどき、落ちていたガラス玉がなくなっていることがあって―― 「あのガラス玉、持ち主が拾いに来たんだ……」  そんなとき、拾われた(ガラス玉)が宝石になりますようにと、誰のものかも知れないガラス玉に対して願う。    〈了〉
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