【仕事始めた理由】こんな仕事、世の中に必要だろうか？

その仕事とは

「いりませんよ、ていうか、せっかく付けたものを外す仕事って、何なんですか！」
　私は、アレが必要だと思う派である。
「だ、か、ら！　世の中の人の中には、アレがいらないと思う人が少なからずいるってことだよ！」
「分かりません！　あんみつの上に乗っているさくらんぼを取る仕事の存在意義が！」
「は！？　あんた、バカだろ。サクランボ単独なら許せるよ。皮とか、種とか、置く場所作ればいいんだから」
「単独じゃなくても、いいでしょうが！」
「分かんねんーのか！　あんみつ食べる時に、サクランボが先に乗ってるだろ？」
「え。ええ」
「それを先に食べたら、サクランボの種とか、柄の部分とか、どう処理すりゃいいんだよ！　種を出しといたら汚いだろうが！」
「……そ、そういわれてみれば、そうかな」
　私は、その人の勢いに負けて、思わず肯定してしまった。
「だろ、だろ？　間違っても、サクランボの種が汚いからって、あんみつの中に戻してみろよ。白玉と一緒に、種を食っちまうんだよ！」
「……ですね」
「そしたらな、ガリッて言うんだよ、ガリって！」
「……はい」

　もはや、どうでもいい。

～終わり～