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「優磨くん!?」
テーブルの横にいつの間にか優磨くんが立っていた。その後ろには泉さんが控えている。
「元気そうだね下田」
「優磨……」
下田くんの顔が引きつる。
優磨くんは冷たい目をして下田くんを見下ろしている。この間見た頼りなさそうな姿ではなくて、きちんと髪を整えていつものように隙のない姿に戻っている。
「お前……何でここに?」
「下田のことを調べたからだよ」
「は?」
優磨くんは「失礼するよ」と言って下田くんの横に座り、まるで逃がさないとでもいうように壁に追いやった。そうして向かいに座る私と目が合い複雑そうな顔をしたけれど、すぐに横の下田くんを睨む。
「さて、まず下田はこれを見て。泉さん」
「はい」
泉さんは優磨くんにファイルを渡した。それは紙が何枚もまとめられて厚みがある。
「下田のこと、全部知ってるよ」
優磨くんがテーブルに置いたファイルを下田くんは慌てて開いた。そうして顔色が変わった。
「俺がビールをかけたスーツのお詫びにその何倍も金を渡したのに、まだ波瑠からむしり取ってたなんて本当にクズだね。調べさせてもらったけどそんなに金が必要だとは思えないよね」
ニコッと笑う優磨くんの目だけは笑っていない。横にいる下田くんは増々顔色が悪くなる。
「いや……それは……」
「そうまでして波瑠を縛るとは呆れを通り越して怖いほどだね。このことを知ったら奥さんはどう思うかな?」
私は訳が分からなくてずっと優磨くんと下田くんの顔を交互に見る。
「奥さんの驚く顔が見れないのは残念だよ。今頃家の近くの郵便局まで届いてるんじゃないかな」
「どういう意味だよ?」
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