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そう言われて不安そうに私を見つめる下田くんと目が合う。
この人を許せない。だけどもうこの件は終わりにしたい。
「二度と関わらないと言ってくれたから、それでいい」
優磨くんは優しい目をして「分かった」と言った。
「下田はもう行っていいよ。奥さんが郵便物を見る前に回収したいでしょ?」
大袈裟なほど頭を前後に振って頷くと、慌てて警備会社の社員を押しのけて店の外に走っていった。
「皆様ありがとうございました」
立ち上がった優磨くんは警備会社の社員さんにお礼を言うと、屈強な社員さんたちは優磨くんに頭を下げて店を出て行く。
「泉さん、この店の店長さんにもお礼を。もう開けて構いません。運営会社には後で俺からもお礼の電話を入れます」
「かしこまりました」
「しばらく波瑠と話をします」
「はい」
泉さんが店の奥に行ってしまうと優磨くんは呆然としている私の前に再び座った。
「優磨くん……」
「ごめんなさい」
優磨くんはテーブルに額が付きそうなほど頭を下げた。
「波瑠の言葉を信じなかったこと、本当に反省してる」
「あの……これってどういう状況? 何で優磨くんがここに? あの警備会社の人たちずっとここに居たの?」
疑問ばかりが溢れ出る。
優磨くんは顔を上げて私を真っ直ぐ見る。
「これを」
そう言ってテーブルに置かれたままのファイルを私に差し出す。そのファイルを開いて驚いた。中表紙のコピー紙には大きく『下田浩二 調査報告書』と印字されている。
「下田のことを調べたんだ。それで見張ってた。ここで波瑠と会うのが分かったから店を貸し切って念のため警備を付けた」
「うそ……」
そこまでしたのかと驚く。
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