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「気に入られてると思うよ~。」
そう話に入ってきたのは、総務部の課長だ。
「人事部の加勢へ岡崎さんを指名してきたのは和泉課長だからね。もしかして前から知り合いだった?」
「知り合いっていうか、まあ、うーん、どうなんでしょう?」
「ええっ!岡崎さん、何かすごい!」
同僚が盛り上がる中、課長が「さ、仕事して」と釘を指してきたので、その話はそこで終わりになった。
(私を人事部へ指名したのは和泉課長?何でだろう?)
入社して三年。
有希が和泉と仕事で関わったことは一度もない。
(じゃあもしかして、あの面接の時のことを覚えてくれている、とか?)
だが和泉は面接官ではない。だから名前も内定が出たことも知らないはずだ。
(じゃあ、どうして?)
有希は悶々とする思いを抱えながら、人事部へ戻って行った。
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