リクルートスーツ

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リクルートスーツ

会社説明会を社外で開催するため、有希も手伝いを命じられた。 スーツ着用と言われたが、生憎リクルートスーツしか持っていない。 どうしようか、買った方がいいだろうかと迷っていると、今回は手伝いだけなのでリクルートスーツで大丈夫と言われた。 お言葉に甘えて、クローゼットからリクルートスーツを引っ張り出す。 懐かしいなと思いながら袖を通すと、何だか初々しい気分になった。 説明会も終わり片付けをしていると、和泉が寄ってきて言う。 「その姿、懐かしいな。」 「えっ?」 有希のリクルートスーツ姿をまじまじと見てくる。 「覚えていないのか?入社前に俺と会っただろう?」 いたずらっぽく笑みを称えて、和泉が言う。 まさか和泉が覚えているとは思わず有希は胸が高鳴った。 (忘れるわけないです!だって私はあの時からあなたにときめいているのだから!そして今、笑いましたよね!)
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