翻弄

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「大丈夫です。ありがとうございます。こんなところで和泉課長に出会うとは思ってなくて、ちょっとびっくりしました。」 「ここは珍しい本が置いてあるからな。」 「よく来るんですか?」 「ああ。」 まさか休日に出会えるとは思わず、有希は嬉しさで浮き足立ってしまう。 しかも和泉も有希と同じ理由でこの本屋に通っているらしい。 二人はしばし、本の話題で盛り上がった。 「岡崎はこの後予定は?」 「特にないです。」 「では一緒にカフェにいかないか?」 突然の誘いに有希は二つ返事で頷く。 (和泉課長とカフェ?!まるでデートみたい。) 嬉しくて自然と笑顔になってしまう。 和泉はコーヒー、有希はココアを頼んだ。 セルフサービスなのでレジで注文して、好きな席へ運ぶ。有希の分を和泉が払ってくれたので、飲み物は有希が運んだ。 「すみません、私の分まで払っていただいて。」 お礼を言うと、和泉はふっと微笑む。 それがなんとも優しくて、有希は嬉しくて頬をピンクに染めた。
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