笑顔

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(そうなんだよね。この優しい笑顔が、私をドキドキさせるの。こんなに素敵なのに、何だかもったいないな。) 「和泉さん、会社でもそうやって笑えばいいのに。」 有希が言うと、和泉は驚いた顔をした。 「俺は今笑っていたか?」 「めちゃくちゃ笑顔でしたよ。」 「そうか……。」 「こんなに素敵なのに、何かもったいないです。会社の皆さんに見せてあげたいです。和泉さんは怖くないよって。」 力説する有希に、和泉はまた頭をポンポンと撫でた。 「俺は有希さえよければそれでいいのだがな。」 「もうっ、そうやってすぐはぐらかすんだから。」 文句を言いつつ、有希は嬉しそうにする。 その反応が何とも愛しくて、そっと肩を抱いて引き寄せた。 「有希がそう言うなら、努力してみよう。」 耳元でそう囁いたかと思うと、頬に軽くキスをする。 はうぁぁぁ! 確かに社内ではないけど、公共の場! 一瞬にして真っ赤になった有希は、その場でまた撃沈した。
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