1104人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
(言うまで帰してくれなさそうだなぁ……。)
それでも有希は言葉に詰まる。
何からどう話そうか、頭の中で組み立てようとすればするほどぐちゃぐちゃになる。
(ええい、もうどうにでもなれ。)
有希は考えるのをやめた。綺麗な言葉を並べてもそれは解決にはならないし、隠したって和泉にはお見通しな気がしてならない。
だったら吐き出してスッキリしてしたほうがいいのではないだろうか。
有希は小さく息を吸うと、一息で言った。
「嫉妬しました。和泉さんが女の人と楽しくおしゃべりしてたから。ただそれだけです。ごめんなさい。」
「そうか……。」
有希の言葉に和泉は考え込むようにしてしばし押し黙った。
そんな姿を見て、有希は泣きそうになった。
最初のコメントを投稿しよう!