タクとサリ(7)

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タクとサリ(7)

宿で過ごす時間は、まさに天国だった。 温かく滑らかなお湯につかり、良い香りのするシャンプーやボディソープで全身を隅々まで清めた。 夕飯は和食だった。 部屋に運ばれた膳には、刺身、天ぷら、煮しめ、栗ご飯、小さな鍋まで付いている。 こんなに豪勢な食事は、久しぶりだ。 部屋は一つしか取っていなかったため、布団が並んで二つ敷かれた。 俺は、内心気恥ずかしかったが、サリがなにも言わなかったので、俺も黙っていた。
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