タクとサリ(10)

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タクとサリ(10)

サリは、よく笑う。 薄幸な人のはずなのに。 しかも、見た人の心を温かくするような笑顔だと、俺は思った。 サリの回想話を思い出し、「母親に似たのか」と一瞬思ったが、俺は、すぐさま、その発想を却下した。 きっと、サリを唯一かわいがってくれた、祖母の恩恵なのだろう。 そう考えるほうが、サリの笑顔にはふさわしい。
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