13人が本棚に入れています
本棚に追加
8・類友イベント1
俺はわかばから【朝日】に変えた。
類友イベントを自由自在に起こすことができれば、F カップとのイベントも夢ではないと考えたからだ。
この名前でまずは、ビール仲間に遭遇してみようと思う。
何にしようか非常に迷った。
しかし、有名といえばアサヒスーパード〇イ。きっと仲間はいるはずだ。 ハードルは低いに越したことはない。
前回の俺は、わかば仲間と不倫して自分の名前の付け方の間違いに気づいた。
しかし! 今回俺はコツを掴むことに成功。
これで、俺の三フリライフは向上だ。Fカップも間近だ。
(気のせいじゃないのか?)
イベントを自由自在に操る男。
これでFカップ美女も俺の虜に違いない。
(そうは問屋が卸さない)
少し未来の自分を想像してみる。
『きゃっ! なんでも操れちゃうのね。わたしのことも操縦して♡』
(そんなこと言う奴いるか?)
『ああ♡ Fカップ。さいこーです!』
(目を覚ませ)
「あああああ! みなぎってきた!」
(それはなにより)
時刻を確認する。22時。
ビール好きとの出逢いを求めよう。
ほろ酔い気分の、仲間と遭遇だぜ!
俺は、仲間と楽しく飲み明かすことを妄想しながら、すごろくの箱を開けた。前回の場所に転生され、前々回と同じところであることに気づく。
(進まないすごろく(笑))
───22時。今宵も俺は三歩行く。
『ようこそ朝日、三歩の世界へ』
さあ、来い! 朝日仲間よ。
さて俺の実力を試す時が、来たのだ。
前を見る。
おお! 誰か歩いてくるぞ。
しかし、その格好で呑み屋に居たのか?
後ろを見る。
相変わらず、おとんが居る。動かないのは、何故だ。
右を見た。
誰か近づいてくる。上手くいったか?
しかし、大荷物じゃないのか?
左を見た。
うんうん、順調。夜なのに、その帽子か?
三方から人が歩いてくる。
一人は全身高い装備で身を固めた、IT企業の社長っぽい方。
一人は大きなリュックを担いだおばさんだ。
一人はがっちり体系のお兄さん。
呑む面子としては申し分ないが、なんだか雰囲気が違う。
「やあ。君もこれから登るのかい?」
登る?
「やっぱり、富士山は最高よね」
そんな銘柄あったか?
「何回登ってる? 頂上で見る朝日は最高だな」
まて、何かが違うぞ!
『朝日、類友イベント発生中! 朝日、エンカウント成功! 朝日、おめでとう! これより朝までうっふん♡語り尽くし不倫に移行しますよ!』
俺は、登山家と遭遇。
「OH! NOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!」
漢字がいけなかったのか、ビール仲間ではなく登山家と不倫することに。
俺は言うまでもなく、悶絶した。
「アサヒ違い……」
自由自在にイベントを操る日々は遠い。
後半へ続く。
最初のコメントを投稿しよう!