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「どうかした?」
とおばちゃん。
どうこもうもない、ツッコミどころ満載の状況だ。
「なんで、胸に風船入れてるんだよ!」
ぼよーんは風船の感触だ。
「そりゃ、全力疾走したら何にぶつかるかわかったもんじゃないでしょ! セルフエアバッグに決まっとろー?」
(何故、家の前を全力疾走してるかも謎である。時刻は24時だ)
「知るかっ!」
『早くイベントに移行してください』
相変わらず急かしてくるシステム。
『Fカップ不倫、イベント発生中! 発生中!』
まるで警報。
しかも、Fカップではなく風船カップだ!
俺は、隣のおばちゃんと不倫した。
───1時間後。
(漢数字と数字がごっちゃだ!そのうち直そう)
「くそう! あと、一歩だったのに」
俺は部屋に戻り悶絶する。しかも隣のおばちゃんと不倫だなんて。
不倫の王道過ぎるだろ!
(悩むとこそこか?)
「王道と言えば、オフィスラブ……」
1日3歩しか進めないのに、オフィスまでたどり着くのに何年かかるんだ!
これは諦めるしかない。
「同窓会で、不倫。これも捨てがたい」
(会場に、辿り着けばな)
「やはり、ここは攻略板を見るしかないな」
俺は愛用のモザイクチャンネルにアクセスした。
(まだ一回しか使ってないのに、愛用もクソもあるか!)
モザイク1:俺先週、学校の先生とエンカウントしてさー
モザイク2:ほうほう
モザイク1:既婚者だから不倫だ! やったぜってガッツポーズしたらさ
モザイク2:お、おう?
モザイク1:未婚だったんだよ 既婚者って嘘ついてたらしい
モザイク2:ゲームで知る、衝撃の事実!!
「イヤな、バレ方だな、これは」
俺もちょっと参加してみよう。
俺は彼らの会話に参加してみることにした。
Fカップ不倫:こんばんはー!
モザイク1:おい!
モザイク2:そこの、お前。モザイクかかってないぞ!
俺は書き込みの大変さを学んだのだった。
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