1. 長いプロローグ

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学力も だいたい同じくらいだった俺たちは 当たり前のように同じ高校に進んだ。 レベルは中の下くらいだろう。 そして政実は高校に進学してから キャラが変わった。 中学の頃はどちらかといえば 天真爛漫を装ったネクラで、実は人見知りで ビビり。きっと俺だけがその事実に気づいていた。 もしかしたら本人も気づいてなかったかもしれない。 高校になってからは、回りがそうだと思い込んでる 政実のキャラに近づいた感じだった。 一言で言うなら、チャラい?だろうか。 髪も明るくなったし、付き合いも多くなって 彼女もできて 、週末家にいることは少なくなった。 中学の時は暇さえあればお互いの家を行ったり 来たりして ゲームしたり、キャッチボールしたり ひとつのベッドで、ただ昼寝したり。 自転車でどこまで行けるか、ひたすら自転車を こいで汗だくになったり…。 そんな少年の日々が終わってしまって 俺はどこか 寂しさを感じつつも 何かにつけて俺に声をかけてきたり、彼女と 別れれば俺のところに泣きついてくる政実が 可愛くて、本当のお前を知ってるのは俺だけ なんだ、と…バカな優越感を感じたりもしていた。 高3になる頃には政実の迷走は終わり。 キャラも、ちょっとバカだけど優しくて明るくて オシャレでイケてる政実君。 と、いったところで落ち着いた。 俺はというと、その頃はまだ政実への思いが いったい何なのか、自分でも分からず。 政実に紹介された別の学校の女子と付き合って みたりもした。 そう、俺も迷走していた。
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