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風紀委員長
風紀委員長side
俺は風紀委員長の伊川 涼(イカワリョウ)だ。今は学校内の見回りをしているのだが最近は凛という名の転校生のせいで仕事が増えまくっている。
なのにこんな大事な時に生徒会は何をしてるんだ、新入生歓迎会のもまだできてないなんて、あと数週間しかないというのに、
ん?あれは会計の永戸か?
なぜ屋上に続く階段を登っているんだ?
俺はそんなことより仕事を早くしろと言いに行こうと屋上へ向かった。
その途中嫌な予感がした。さっき見えた永戸の雰囲気がすごく重たかった、もしかしたら…
そう考えると俺は階段を急いでかけ昇った。
屋上の扉が空いており目に飛び込んだのは死への道を真っ直ぐ進む永戸の背中もう少しで落ちてしまう、というところでギリギリ間に合い永戸の右手を掴んだ。
「あ、あぶねぇ」
ふぅ、間に合った。
すると下から「風紀委員長?」と呑気な声が聞こえた。
その声で我に返り永戸を叱った。すると急に永戸の体がピタッと止まった。まるで何かに怯えるかのように、そんなことはどうでもいいとりあえず上げなくては。
そう思い俺は両手で右手をつかみぐっと力を込めて永戸を引き上げた。
「お前何してんだよ!ここから飛び降りるなんて!死にたいのか!?」
すると永戸は俺が叩くと思ったのか手を前に出し自分を守るようにして言った。ごめんなさい、とそして殴らないで、と
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