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その時だった。神社の鳥居に、宙に浮いている老人が現れた。
どうして宙に浮いているの? ……まぁ、これから死ぬんだからもう関係ないか。無視しよう。
「待ちたまえ、そこの少女!」
その老人は、私を呼び止めてきた。
なんなの、本当に。こっちは早く死にたいんだよね。
「わしは、この神社に住む神じゃ。お主……さっきわしに死んで幸せな来世を送りたいと願ったろう?」
神様なんて、本当にいたの? 胡散臭い神様だな。適当な返事で流しておこう。
「はい」
「近くの川で死にたいと思ったろう? なら、わしも一緒に着いてっていいかのう?」
「………はい」
私は神様が目の前に現れていることに驚き、本当は着いてって欲しくないのに承認してしまった。
「うむ。それでは、川に向かおうかの」
こうして、私はひょんなところから神様の前で死ぬことになった。
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