故郷と武器商人

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「大尉、ミズ・カタリナの一行を保護しろ。敵は南アフリカ陸軍大佐の部隊、二時間でヘリが来るからそれに乗せて離脱させるんだ、武器を五千買い取るから好きに使って構わん。全ての責任は俺がとる」 「ダコール モン・ジェネラル!」  通信を切るとカタリナに向き直る。 「ミズ・カタリナ、我々はあなたを保護致します。武器五千を使わせて頂いて宜しいでしょうか?」 「ありがとうございます! でも、五千ってそんなに?」  にこりとするとドゥリー大尉は隣に居る黒人に命令を下す。 「プレトリアスアヌンバの九族を大至急集めろ、これはイーリヤ閣下のご意志だ! 戦争を行うぞ」  カタリナの疑問は一時間とせずに氷解することとなるのであった。 ◆  南アフリカ共和国軍。アフリカ大陸内だけでなく、サバンナ地域では世界でも極めて高い戦闘能力を持っていることで有名だ。追撃ということでトラックに歩兵を満載した、自動車化中隊が三つやってきてコンボイに狙いを定めている。 「追え逃すなよ!」 「大佐、偵察小隊から目標捕捉の報告があがりました」  副官大尉は後ろで喚いている大佐に告げる。ランドローバーで本隊の指揮所に同道している、功績は自分の手で、失敗は部下の首でがモットーだ。 「退路を絶て、包み込むんだ!」
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