故郷と武器商人

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 部隊長らの声が伝えられる。たったの十人以下の集団、果たして何分持ちこたえることが出来るのか。未来を想像した瞬間、彼は脳症をぶちまけて全てを失った。トレーラーから九百メートル、通常のライフルからは有効射程外だ。  同時に各所の中隊長らが胸を貫かれてシートを血で染めていた。指揮所要員が驚き、代わりに無線を握るが直後にまた撃ち抜かれてしまう。 「大尉が戦死しました!」 「指揮官不在、命令を!」 「狙撃だ!」 「ど、どこから撃たれている!?」 「お、おい、あれはなんだ!」  何もない波打ったなだらかな地形、地中からむくりと起き上がる影。杖と毛皮の旗、角と草の旗、そして四つ星を象った白と黒の旗があちこちに翻る。 「ふ、伏兵だ!」  南アフリカ軍の心に衝撃が走る、だがそれを収める役割の指揮官らはもうこの世に居なかった。 ◇  トレーラーの屋根に銃座を置いているカタリナたち。ヘッドセット越しに軽口を叩くものがいた。 「おーやるねぇ、ヘッドショットかぁ、ジョニーすごぉい」 「いやいやいや、おっさんあんた、あれ一キロはあっただろ!」  部隊司令を射抜いたのはジャックだ、皆がトレーラー上から狙撃して、同時に八人もの指揮官を殺害して軍は軽い脳震盪状態に陥っている。 「老眼でさぁ、近くの見えづらくてね。トレーラーから降りて塹壕に入れよー」
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