故郷と武器商人

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「凄い、彼らは民間人なんですよね。軍に向かって行くだなんて」  這い出て行ったのはツルケプレトリアスとアヌンバの武装民兵、それらが攻撃を敢行した。五千もの大軍が突如として現れたのだ。    いくら脳震盪状態であっても、手に武器を持っていれば軍は反撃をしてくる。それで死者が出ているというのに、民兵は畏れることなく前へ進み手に馴染んでも居ない武器で攻撃をする。民兵と表してはいるが、民間人がつい先ほど武器を渡されただけの素人集団だ。  塹壕で姿勢を低くしていたカタリナが、軍が後退していくのを確認して立ち上がる。 「ドゥリー大尉、ありがとうございます。助かりました」 「全て閣下のご意志です。ミズ・カタリナ、こちらを。閣下と秘書官エーン大佐、副官サルミエ少佐の連絡先です」  あれからずっと側に居て、連絡をとった様子もない。渡された番号を見る。 「良いんですかこれ?」 「閣下ならば自分の判断を、必ずやお認め戴けると信じております」  見ず知らずの一行に命がけで急きょ助力する。それがいかにあり得ないことか、カタリナは知っていた。中型ヘリが飛来して、後方の空き地に着陸した。 「分隊整列! ドゥリー大尉と、ツルケプレトリアス、アヌンバの民に礼!」  カタリナは頭を下げて、ドゥリー大尉と分隊メンバーらは敬礼をした。 「あ、大尉、ドル札は持っていますか?」 「ええ、これで良ければ」
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