故郷と武器商人

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「そーか、まあカタリナが良いならいいんだけどよ。しっかし、あの四つ星野郎、半端じゃないお人好しだな、よくもまあ今まで死なずにすんだもんだ」  それについては皆が同意した。善人は寿命が短い、世界の共通ルールの一つ。 「悪人として国際指名手配を受けている男。でも私には関係ない! 彼は私の友よ」 「カタリナのお友達ねぇ、やっこさんなんて言うかね」 「もちろん、こちらこそよろしく頼むよって感じでしょう?」  確信しているその顔に、ジャックが笑う。 「今のお前、スゲーいい顔してるぜ。ところであの大佐はどうすんだ」  これだけの大騒ぎを起こして何もないにはならない。何よりカタリナが放置するはずがない。 「もちレイオフ、んで地獄に叩き落とす! 社会戦で私に出来ないことはないのよ」  指で鉄砲を作り虚空を撃ち抜く真似をする。程なくして、司令官を解職された大佐は、今度は大佐を剥奪され、罪を負わされてしまい、闇に葬り去られる。元大佐が存在していた履歴すら消され、この世から跡形もなくなってしまった。
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