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俺のこと
俺の名前は高橋隆平。
現在28歳、血液型AB型。
趣味はパチンコ。
彼女なし。
消化器外科医になるために修行中の初期研修医2年目だ。
医学部浪人3年、留年1年、国試はなぜかストレート。
ようやく医師免許を取得した。
だいぶ出遅れた感があるが
何年かかっても医者になれない奴もごまんといる。
そう思うと俺は早い方?いや、そうでもないか。
医者になるために頑張ってきた。
親父のために。
実家は田舎で内科を開業。
兄貴は普通の大学に行ったから、その時点で俺が医者を目指すことになったというわけだ。
医学生時代は長年の予備校通いから解放され、遊びに明け暮れた。
だから留年もしてしまった。
サッカー部に所属していたが、バリバリに打ち込んでいたわけではなかった。
たまに練習に出れば、みんなで集まり飲み明かしたり、合コンなんかもしたりして。
医学生というだけで女の子には多少モテたと思う。
中肉中背、顔だって地味なのに。
そんな俺にも彼女ができた。
いつも長続きしないけど。。。
大学卒業後は尊敬する消化器外科医の三井先生がいる大学の消化器外科に入局を希望した。
この年は同科に3人同期が入局した。
ストレートで医者になったフレッシュな上田くん。
一浪して医者になったまぁまぁフレッシュな橋村くん。
とノットフレッシュな俺。
2人とも同じ大学で知り合いだが、留年しなければ俺は先輩だったから2人は変わらず俺に敬語をつかった。
初期研修医一年目は大学附属病院で研修。
大学附属病院での研修は色々な疾患について勉強が出来た。
手術前日には片手に医学書を、もう片手にはパソコンで手術動画を見ながら勉強したり。
カンファレンスのためのレポートを作成したり。
臨床は間違いがあってはならない場所だったから、帰宅しては次の日の予習はしていた。
車の中にはいつも医学書を乗せていた。
一年目の頃は初めてのことばかりで、指導医の後ろについてひたすら手技を覚えていくが、なかなか実践するまで自分のものにはならない。
たくさんオペにも入った。
その繰り返しで少しずつできることが増えてくる。
回診もあるしカルテ記録や外来の処置など様々な業務をやりこなす毎日。。。
夜遅くまで仕事をしたら、その後は先輩(指導医)に付き合って酒を飲みに行く。たまにはキャバクラにいったりも。
とにかく毎日毎日を乗り越えるだけだった。
失敗もした。
その度に自分の未熟さが嫌になる。
もう辞めようかと思った時もある。
でもそれは違うと自分で自分を奮い立たせた。
俺の自業自得で少し早めに大学を出ることになり、2年目の研修が始まった。
関連病院の救命センターからスタートして、他病院の産科など今後半年間いろんな病院で研修することになっている。
そしてまた大学に戻り残りの半年研修をして、ようやく2年間の初期研修医制度を終了する予定だ。
初期研修医。
この時期は勉強第一。仕事優先。
たくさん学んで立派な医者になる。
尊敬している三井先生のように。
立派な外科医になるんだ。。。
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