引きこもりの仕事

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「……そうですか」  テンカは極端な考えをしている。航平を神と信じているが、祠の奥から出てきたからという安易なもので、仮に航平じゃなくても、おそらく彼女は出てきたものを神と信じていただろう。  頭が固いというか、根本的に雑な思考だ。「はい」か「いいえ」、その二択しかないようで、妥協や譲歩など色々と欠けている。彼女なりに考えているのだろうが、もう少し感情的な考えをしてもいいと、航平は思った。  とにかく、今のこの状況は、どうすれば二人が納得できるのか、ということである。そこで航平は一つの事例を思い出した。 「二人のどちらがそのシシグアに相応しいのか、試して決めたいんだけど、いいかな?」  怪訝そうな顔をするメメとヤルルは恐る恐ると言ったように頷いた。 「はい」 「いいよ」  その返事を確認してから、航平は続けた。 「そのシシグアの翼を、それぞれ掴んでくれる?」  航平の言われるままに、メメは獅獣の左の翼を、ヤルルは右の翼を手で掴んだ。その行動に、獅獣は目を醒ましたようだ。  簾でよく見えないが、困惑した様子だ。  二人が準備できたところで、航平は言った。
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