引きこもりの仕事

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 まだ子供なだけに微笑ましくもあったが、相手より優位に立つための手段を心得ていることに驚いてしまう。おそらく無意識だろうが。 「二人は家族なの?」  首を傾げる航平にヤルルがかぶりを振った。 「違うよ」 「ヤルル! 神様に失礼でしょ!」  メメが注意すると、ヤルルは咄嗟に両手で口を押えた。その仕草は失敗してしまったというのが、ぴったり合った。  ヤルルはメメと比べると少しやんちゃというか、奔放そうな感じで、それが口調によく現れていた。  航平は、気にしないでいいよ、と言ってから続けた。 「二人は友達なんだね?」 「……」  メメとヤルルはどちらも口を開かなかった。ただ否定しない辺り、友達なのは間違いなし、仲もいいのだろう。今はそれが素直に言えない状況なのだ。  航平は眠っているシシグアに視線を向けた。 「二人はそのシシグアが大切なの?」 『はい!』  即座に二人から返事があった。  どちらも獅獣(しじゅう)に関しては譲るつもりはないようだ。
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