青い春 2

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「あ、のさぁ。……ねぇ、恍。」 震える声を押し殺そうとゆっくりその名前を呼んだ。 「何だい?」 振り返った恍の目をじっと見て反応を確認する。 「さっきね、彼女に振られちゃったんだ。」 「そう。」 そんなの俺にとってはどうでもいい。 ただの言い訳。 それも自己防衛のための、だ。 居た堪れなくなって恍から目を逸らす。 「でさ、恍。」 この先を話すのに躊躇し何度も名前を呼んでしまう。 ごめん。でも本当に。 好きだから、抱きたいと思ってた。 まじで都合がいいからとか思ってない。 そうは思っても伝わらないし伝えられない。 「慰めてよ。」 「......要。自分が言ってることわかってるのか。」 わかってる。 「どうせ今日で卒業だろ?」 お前も俺のことを忘れて、横を通りこしていく。 だからいいじゃん最後くらい。 夢を見させて欲しい。 一瞬だけ恍の方を見た。 何を考えてるのはわからなかった。大事な物を諦めたような、でも少しだけ、安心したような顔だった。 「高校生活最後に見る顔が俺でいいのか?」 皮肉。いつのまにか普段の恍の口調に戻っている。 お前が、良かったんだ。
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