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要 視点
成瀬恍。
黒髪のイケメン。
俺には及ばないけれど、ってのは冗談。
恍はたった1人の俺の親友。
今も、そしてこれからも。
いつも表向きにはそう言っていた。
でもさ。
高一でクラスが一緒だったからってそんなに親しくはならないじゃん。二・三年は違うクラスだったし。
そもそも俺の苗字は有明で、あいつは成瀬だから出席番号も近くない。
それなのに何故声掛けたのか、恍は知らないと思う。
いや、顔がいいなって思ったからなんだけど。
一目惚れ。
俺らしくないとは思うけど。
で、何気なく話しかけてみたら案外面白いやつで。
一緒にいて飽きないし。3年間楽しかった。
誰よりも長くずっと隣にいた。
親友として、ね。
あれが初恋だったんだ。
だからこそ何も出来なかったというか。
その気持ちを伝えていいのか迷ったんだ。
言い訳っていわれればそうだけどさ。
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