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今日も歴史ミステリーテレビに釘付けになっている。
まだ小学五年生だと言うのに新型ゲームに興味を示さず、日本の歴史に目を光らせている裕二
テストも社会科だけは安定して満点を取るというのに、他教科はてんでダメ。
歴史の授業は話を遮るほど喋るというのに、他の授業になると人が変わったかのように机にひれ伏す。
当然担任の山村と母親は頭を悩ませていた。
「戦国時代にタイムスリップしたい!
神様 どうかお願いします!」
いつもの独り言ですらストレスを貯める。
その上父の光一も大の歴史ファンで、裕二の背中を押すように歴史の話を展開する。
「ちょっと 歴史好きはいいけどさ!
もうすぐで中学受験も控えてるし他の勉強もさせた方がいいんじゃないの?」
「たしかにそうだけど、裕二も夢は学者とか社会科の先生なわけだから今口出ししてやる気を削ぐのもよくないと思うけど。」
「だからって..」
家族では話がまとまりようがなかった。
親子揃って戦国時代は男のロマンだの偉人は面白いだの謎の持論を持ち込んで行くのだが母にとっては到底理解しがたかった。
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