白ウサギのかくれんぼ

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 ある雪の日に、一羽の白いウサギの子が家から出てきました。冬になって、ねていることにあきてしまったのです。 「外はさむいや!」  そこで白ウサギの子は、お母さんが作ってくれたあたたかいふくをきて、お父さんが作ってくれたしっかりしたクツをはいて外に出ました。 「だれか、いないかなあ?」  あたりはまっ白で、だれもいないようです。 「そうだ、かくれんぼをしよう!ぼくがオニだよ。だれかを見つけるんだ!」  ウサギの子は、そばにある木のミキに手とあたまをくっつけて、数を数えはじめました。 「い〜ち、に〜、さ〜ん、よ〜ん、ご〜…」  まわりはしずかに雪がふる音がするだけでした。それでもウサギの子は十まで数えます。 「…きゅ〜う、じゅ!!…よぉし!」  ウサギの子はドキドキしながら、どこかにいるだれかを、さがしはじめました。  雪はしずかにふりつづいています。 「…きっと…もうだれも…」  白ウサギの子があきらめ、そう思って下をむいたときでした。 ガサガサッ  だれかが出てきました。  白い体、赤いまぁるい目。それに…  みどり色した長い耳。 「だれ!?」 「見つかっちゃった!ぼくもウサギ。雪うさぎだよ」  その雪うさぎの子は、みどり色の耳をピクピクとうごかして答えます。 「雪うさぎ??でも、ウサギなんだね!きみ、キレイなみどり色の耳だね!」 「ありがとう!」 「…でもきみ、さむくないの?」  雪うさぎはわらいました。 「ぼくらはさむいほうがいいんだ!」 「ぼくら?」 「さがしてごらん、ほかにもいるよ!」  雪うさぎは、とびはねてウサギの子にわらいかけました。 「行こう!」  二羽はなかよく走り出しました。  雪の上には二羽のあしあとができました。
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