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「あの、多分これ、一番大事なことだと思うのですが……川出さん、私のことを好きではないですよね?」
私の問い掛けに対して、川出さんはどこまでも正直だった。
「確かに恋愛感情は持っていないですね。しかしながら、あなたとならば今後良い関係を築いていけそうだと思いまして」
「その根拠は?」
「吉田さんなら信用できそうだからです」
川出さんはコーヒーを飲んだ。
つられるように私もロイヤルミルクティーを飲んで、動揺で出ていった汗の分だけ水分を補給する。
私がコップを机に戻したところで話は再開した。
「正直なところ、僕は今後誰かと付き合って結婚したとしても、相手に同じ熱量の気持ちを返すことはできません。それなら、さっぱりとした関係でいられる人と一緒になれればと考えています」
相手と同じ熱量でいられない、つまり相手を好きにはならない。そこには何か事情があるのだろうか?
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