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《おはよう》
あずまと初めて身体を重ねた朝…
敬大はジョギングを終え、シャワーを浴びて、朝食の準備をする。
その間もあずまは目覚めず、ぐっすり眠っていた。
やっぱり昨日、疲れさせてしまったかな、あまりに起きないと心配になってくる。
「あずまさん、おはよう」
朝食の準備を整えて、眠り続けるあずまに優しく声かけてみる。
その声に反応して、パチパチと瞬きして、声の主を確認する。
「……敬大くん、おはよう、っ、すまない寝坊した」
目をこすり、ふと時計を確認して申し訳なさそうなあずま。
「ううん、いいよ。ご飯できたから。身体大丈夫?」
そっと身体を寄せ、唇にキスを落とす。
「あぁ、ありがとう。ッ、少し筋肉痛かも…」
起き上がると、太腿や下半身に少し痛みがある。無意識に力を入れてしまったんだろう。普段使わない筋肉が痛む感じだ。
「え?大丈夫?」
「この程度大丈夫、ありがとう」
「そっか、無理しないでくださいね、朝ごはんにしましょう」
「あぁ、ありがとう、今日は空き缶集めに出てもいいかな?」
「筋肉痛なら無理しない方が…」
「動いた方が治るだろう、世話になってばかりもいらないから」
少しでも早く始めれば、僅かな金でも少しでも多く稼げるから…
「世話なんかしてないって、俺はあずまさんに家にいてほしい」
「どうして?」
「トラウマなんすよ、あずまさんが帰って来なかったらどうしようって心配で…」
「大丈夫、ちゃんと戻ってくるから」
「本当に?」
「あぁ」
「じゃ、どうしてもあずまさんが行きたいなら…でも無理しないで、暑くなったら帰ってきてくださいね」
そう、優しく抱き寄せる。
「ありがとう」
その温もりを感じながらお礼を伝えるあずま。
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