冷たい嫁

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冷たい嫁

むかーし、嫁入りして間もない頃に旦那のお母さん、つまりお姑さんから言われた言葉 「あんたは最低の嫁やわ!」 その当時はひどく傷つきましたね。 誤解から言われた言葉だったんですが、それを説明する気にもならないほど。 でもね 『今が最低ならこれより落ちることはないってこと??』 と、反対に気が楽になりました。 それからは、何でも言えるようになって強くなりました。 そして昨年の今頃。 お姑さんが事故で足を骨折して、立ち上がることもできなくなってしまいました。 (あれから10年たちましたに、書いてましたね) 入院も勧められたそうですが、本人も嫌がってたので家でおとなしくして治すことにしました。 その時にですね、荷物を運ぶための台車を買ってきて自分で乗って動けるようにして、トイレにも踏み台を置いて自分でトイレに行けるようにしました。 洗濯は干して取り込むのは私でしたが、畳むのはお姑さん。 少しずつよくなって、つかまり立ちができるようになったらご飯も自分でやってもらいました。 もともと二世帯なので、お姑さんたちにはお姑さんたちのペースがあるし。 買い物は私。 通院はお舅さん。とことん分担して娘も手伝ってました。 「どうやったらできるか、自分でも考えながらやってみて。できなかったら手伝うから」 と、厳しめに対応してました。 なんとか治って今ではもう運転もできます。 その当時の話で、お見舞いに来てくれた近所の人からは 「なんて冷たい嫁なんだ!お姑さんがこんなになっているのに」 と散々言われたそうな( ̄∇ ̄) でもお姑さんは、平気だったそうです。 「ママに言われた、動かなかったらボケてしまうからって。筋肉も落ちるから無理しない程度に動けって」 それがまた、冷たい嫁だと言われてたそうな。 何でこの話かというと。 叔母さんが認知症になってしまったということを昨日聞いたからです。 去年、手術をして入院して約2ヶ月。 至れり尽くせりの完全看護(叔母さんお金持ちだから)。 退院してきた時には、曜日や日付がわからない、家族のことも時々わからないという事態になってしまったと。 お姑さんより若いんですけどね。 なんかショックでした。 その話を昨日、私にした時にお姑さんが私に言った言葉は 「仕事があるうちは一生懸命働いて、元気なのに家にいたらボケるよ」 とのこと。 「働いてると、介護になってもできないと思うけど?また冷たい嫁になるよ」 「動けるうちは自分でやる。動けんくなったら病院でも施設でも放り込んでちょうだい」 なるほど。 嫁をあてにしていないという心意気、気に入りました。 でもね、本当に困った時はちゃんと頼ってくれるので、無理はしないと思います。 外から見たら 嫁に言いたいこと言うキツイお姑さん お姑さんに冷たい嫁。 けれどこれが我が家の嫁姑で、これでうまくいってます。
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