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次の電話で
「まず最初に聞きたかったのは、どうして離婚したの?2人の子どもがいたのに」
『その前に、なぜお金を借りたか?から話すわ』
そう言えばそうだった。
理由はそのうち話すと言われて、そのまま貸して今まで聞いたことなかった。
『あの日涼子のとこに行ったのは、最初からお金を借りるためだったんだ』
「生活に困ってたの?」
『そうでもない、生活費は足りてた。でも、あの頃私は妊娠して子どもを産んでまもなくで、自分の自由になるお金がなかったんだ』
お金は全て、ご主人が管理していたらしい。
「生活費じゃないなら何故?」
『いざとなったら実家に帰るため。新幹線の切符のお金として持っていたかったから。どうしても我慢できなくなったら、実家に帰るつもりだった』
「ふーん」
何があったんだろ?それでも。
「それでも、そのあとわりとすぐに2人目ができたんだよね?」
『…そう。2人目ができたから、実家に帰った』
「どうして?仲良くなったから2人目ができたんじゃないの?」
『……これ、話すと軽蔑されると思うけど』
少し間があった。
「もうあの時から、何十年か経ってるんだよ、いまさら何を聞いても驚かないし軽蔑もしないと思うよ」
『そうだね、もういいか』
話しにくいのか、少し間があく。
『2人目はね、旦那の子じゃなかったの』
「え?じゃあ、誰?」
『…お父さん、旦那の』
「ん?ということは、雄太のおじいさんってこと?」
あまりの内容に、私はかえって冷静に聞いていた。
『正確に言うと、旦那とお父さんは、叔父さんと甥っ子の関係』
「ん?待って待って、どういうこと?」
『旦那の本当のお父さんは、女作って逃げたらしい。そのあと、お父さんの弟が来てお母さんと結婚したって。だからお母さんより、9才年下だった』
なんか微妙。
それが正直な感想だった。
え?でもなんでそれが??
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