第2章 珈察

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翌朝、時方は、コーヒーを一杯急いで飲み干すと、判示物 邸に向かった。 時方が呼び鈴を押すと、数九子が、出てきた。 時方「朝早く来て すみませんが、お庭を見せていただけませんか?」 数九子「はぁ」 数九子は、事情がよくわからぬまま、とりあえず、時方を中に入れた。 時方「おそらく、庭に喜也さんの遺言に書かれていた、謎を解くヒントがあると思うんです」 時方は、数九子に行く道すがら、そう説明しながら庭へと歩いて行った。 ほどなくして、時方たちは、庭に出た。 いかにも、古き良き日本庭園という感じの庭であった。 時方は思った。 時方「このような庭なら、必ず、アレがあるはずだ」 時方が、それを探して歩きだそうとした時、遠くである音がした。 カコーン 時方「あ、あれだ」 数九子「どうしたんですか、時方さん?」 時方は、音がした方へ駆け出していた。 数九子は、少しして、時方の座りこんでいる場所にたどり着いた。 時方は、数九子に向き直って言った。 時方「これですよ、これ。喜也さんが 遺言状に書いたヒントとは、この事だったんです」 数九子は、時方の勢いにあっけに取られ、ただうなずいた。
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