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時方「それでは、さっそく、遺言らしいというものを、拝見させて頂けますか?」
時方は、部屋に入るとすぐに話を切り出した。
数九子「これが、祖父、喜也(よしや)の残した遺言です」
数九子は、そういって、一通の文書を時方に渡した。
時方は、すぐにその文書に目を通した。
その文書には以下のように書かれていた。
『金庫の中にある、時価数十億円の遺産の全てを、次に示す、金庫の謎を解けた者に与えるものとする。
遺産を入れた金庫には、見ての通り、二つの四角い、くぼみと、ダイヤルで合わせる二つの数字が表示されている小窓が付いている。
くぼみの方には、平仮名一文字が書いてある額が、一つにつき、一つ入る。
また、小窓の数字には一桁の数字、0~9の文字が、一文字づつ入る。
正しい平仮名二文字と、二桁の数字を当てることが、出来た者が、遺産を手にすることが出来るであろう。健闘を祈る。
あぁ、書き忘れていた。
わしからのヒントじゃ。
これは、[おどし]じゃ。庭をよく見るのじゃ。ヒントはそこにあるじゃろう』
時方「ふーん」
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