第1章 手紙

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時方は、一言、唸った。 そして、少し間をおいて、こう言った。 時方「喜也さんが言う、『額』に書いてある平仮名というものを、見せてもらえませんか?」 数九子は、部屋を出ると、しばらくして、段ボールを一箱持ってきた。 そして、それを時方の前に置いた。 箱を開けると、中には、7センチ四方の四角形の、左右の縁が波形の額のようなものが大量に入っていた。 よく見ると、その「額」には、平仮名が一文字書かれていて、全ての額に書かれている文字は、一つとして同じものはなかった。 時方「ここには、いくつ入っているのですか?」 数九子「あ行からま行までと、ら行の全てと、「や」、「ゆ」、「よ」、「わ」、「を」、「ん」の合計46文字です」 時方は、しばらく考えた後、数九子に言った。 時方「それでは、次に金庫を見せてもらえませんか?」
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