走馬灯

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息が苦しい。頑張って空気を吸おうとするが、胸の辺りに力が入らない。 痛みと痺れが、体の中を縛り付けているような感覚。 もう、しばらく目を閉じている。別に眠い訳ではない。眠いなんて感覚は、もう無くなった。 自分でも分かる。僕は、もう死ぬんだ。 目を閉じているのに、大好きな家族が近くにいてくれてるのがわかる。 もう夜だというのに、今日、お父さんはお酒を飲んでいない。ずっと僕を見守っててくれている。 ドラマが始まると、近づくだけで叱るお母さんも、今日はずっと優しい。 妹の美優に至っては、ずっと泣いている。 泣きながら僕を呼んでいる。 泣きなながら僕を優しくなでてくれている。 大好きな家族。 僕だけ顔も似てないけど、それでもかけがえのない家族。 今までの思い出が甦ってくる。
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