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「こっち!こっち見て!」
「ジャンプ!駆けて駆けて、
よし、いいのが撮れた」
バタンと車のドアが閉まって
・・・・やっとゴハン。
ゴハンは良いのを貰えるよ、
毛艶が悪いと画面写りが悪いから。
ゴハンのあとは独りで眠る。
”マネージャー“は
他の写真を撮るのに必死。
目立つって死にもの狂い。
死にもの狂い・・・僕だってね、
”マネージャー“に助けられた
命だもん・・・そこは感謝・・・
してるかなあ・・・
あのまま死んだほうが
よかったかな・・・
「大切にしますね」
その言葉と引き換えに
僕を引き取った“マネージャー”の
目的はインスタ映え、目立つこと。
「私のbaby」
って、ブログに書いてる・・・。
baby・・・あなたは僕の
”お母さん“・・・・なの?
写真を撮るとき以外は
見向きもしないよね?
始めは甘えてみたけれど
「うっとおしいなあ」
僕を突き飛ばした・・・。
あのときから
あなたは“マネージャー“。
僕は“モデル”。
ゴハンのためなら頑張るさ、
生きてくためならやり抜くさ、
これが僕のこの仕事を始めた理由。
いつか公園で棄てられてた
バーサン猫が言ってた、
「モノにならなくなったら
アンタもアタシと同じ運命」
そうかな・・・・そうだろうなあ
でも、僕は夢見てるんだ、
毎日見かける親子みたいに
僕を愛してくれる人が
・・・きっと・・・
きっと迎えにきてくれるって・・・。
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