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耳元で叫ばないで
いつだからか、この仕事を始めた理由を思い出せなくなった。
きっと最初の頃は、キラキラした想いを抱えて仕事をしていたはずなのに今ではそんなことすらどこかに行った。
「みんな!ここでヒーローに助けてと叫んで! せーの!」
女性MCの掛け声で客席にいる子どもたちが大声で叫ぶ。
「助けてー!」
もちろん、俺の腕の中にいる女の子も大声で叫んだ。耳が一瞬聞こえなくなるくらいの、高くて大きな声で。
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