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「ゆきちゃん、今日、焼き鳥屋さんでいい?」
「うん。美樹ちゃんの行きつけ?」
「ちょっと小汚いけど、美味しいの」
仕事終わりに、ゆきちゃんを誘った
祥子さんという彼女がいるから、断られるかと思ったけど、あっさりOKだった
相変わらず忙しくて、当直じゃなくても、いつも帰りが遅いらしい
祥子さんは、お姉ちゃんの友達で、私も以前からの知り合いなので、必然的に彼女の話題となる
「うまくいってるの?」
「うん、前は全然会えない時もあったけど、最近は遅くなっても連絡してくれて、会いに来てくれるし」
「やっぱり忙しいね、救急は」
「昨日も遅かったよ。ご飯食べたら秒で寝たし。キスする暇もなかった」
何故か笑顔で嬉しそうに話す
「それでいいの?」
「うん。そばに居るだけで幸せだから。それに...」
ふふふ...と笑う
「え?なに?」
期待しちゃうじゃん
「居心地がいいって言うんだよ!だから寝ちゃうんだって」
え?それだけ?期待して損した
まぁでも、一度別れてるから
ただ一緒にいるだけで幸せなのかな
ちょっとおめでたい気もするけど
焼き鳥を食べながら、ビール飲んでたら
「あれ?美樹?」
「え?お姉ちゃん!」
「あ、一美さん」
偶然、お姉ちゃんと、その後ろから..お友達(?)がやってきた
「あ、綾さん?」
ん?ゆきちゃんの顔が一瞬曇った
「あ、じゃぁ。うちらはあっちに...」
お姉ちゃんが言い終わる前に
「一緒に飲もうよ!」
と言う、お友達
「「え?」」
ハモった
「ダメ?」
視線は、しっかりゆきちゃんを捉えてる
「いいですよ、飲みましょう!」
なんだか、ちょっと面白そうだぞ
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