鍋パ

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「一美、遅くなるって?」 「うん、ほら結構雪が降って公共交通機関乱れてるでしょ?仕事の方が大変みたい」 「そっか〜旅行代理店も大変だね」 一美の到着を待たず 美樹とゆきと3人で、先に食べ始めている 「でも、いろんなところに仕事で行けるのは羨ましいな」 ゆきが言う 「確かに。旅行なんて全然行ってないなぁ」って、呟いたら 美樹の視線が何か言いたげだ 「祥子さん、連れてって」 「え?」 「って、言ってるんですよ?」 「あ、そか」 「少しは女心、わかってくださいね」 美樹は厳しい 「勉強になります」 「やっぱり鍋は温まるね、美味しい」 「このお酒もおいしいね」 2人は、今日は日本酒だ 2人とも強い 普段とほとんど変わりない なんでだ? お鍋の中身が半分くらいになった頃 一美がやってきた 久しぶりに会う、彼女を連れて 「お邪魔しまーす」 我が物顔で入ってくる一美の後ろから 「こんばんは」 と入ってきたのは 「唯ちゃん?」 「お久しぶりです」 「ほんとに〜何年ぶり?すっかり…大人、っていうか綺麗になって〜」 誰? 美樹がこっそり一美に耳打ちしてる 「あ、えっと」 紹介しようとしたら 「立花唯といいます。祥子さんには命を救って頂きました」 「いや、私は何も…応急処置しただけで」 私がまだ研修医だった頃、偶然事故現場に遭遇して応急処置をしたのが唯ちゃんだ 当時は、まだ小学生だった その後、何度か会ったことがある 綾とは定期的に連絡取っていたようだけど。
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