覚悟

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「お待たせ」 車に乗り込む 「もういいの?」 「うん」 「しょうちゃん」 「何?」 「キスしたい」 「ん」 助手席に体を寄せ、キスをする 「え?」 「なんで驚いてんの?」 「してくれると思わなかったから」 あ、そっか。いつもだったらしないかも 「怖かったんでしょ」 「うん」 「守れて良かった」 「びっくりした。しょうちゃん、強いんだね」 「身体の構造知ってれば簡単だよ、軽く捻るだけ」 クスリと笑う 「どうする?すぐ帰る?ちょっと話したいことあったけど、今日じゃなくてもいいし」 「大丈夫だよ、話、聞きたい」 「じゃぁ、星、見に行こ。今、流星群の時期らしいし」 「うん行く、なに座流星群?」 「こぐま座だったかな。ピークはもうちょっと後だけど」 「久しぶりに来たなぁ。しょうちゃんは、たまに走ってるんだっけ、ここ」 「よく覚えてるねぇ」 「覚えてるよ!しょうちゃんは忘れちゃったの?」 「覚えてるよ、ゆきが転けたこと」 「え?そこ?」 ふふふ。 「おいで」 手を差し出す 手を繋いで、ゆっくり歩く 「みんなで何話してたの?」 「ん?ヘタレでひねくれた優等生の話」 「なにそれ!」 登りきって 丘の上のベンチに座る 「懐かしいね」 「そぉ?」 「しょうちゃんは懐かしくないの?」 「まだ、想い出じゃない。進行形だから」 ゆきが初めて「好き」と言ってくてたこと 「しょうちゃん、話って?」 「あ、うん。。そろそろ引っ越しをしようかと思ってるんだけど...一緒に新しい部屋を探して欲しいな。と思って」 「・・・それって」 「一緒に暮らさない?・・・もちろん、すぐじゃなくても。いろいろケジメつけてからでもいいから」 「ケジメって、親とか?」 「うん。ゆきさえ良ければ挨拶行くし」 「しょうちゃん...そこまで...」 「一応、殴られる覚悟も出来てるよ」 繋いだ手にギュッと力が入って ゆきがこちらを向く 少し照れた笑顔で 「めっちゃカッコいいプロポーズだね」 と言う 「返事は?」 「もちろん、お受けします。。でも親への挨拶は、ちょっと待って。私から話してみるから」 「ん」 空では、星がいくつか流れてたけれど 見つめ合う2人は気付かなかった
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