魔法学校の先生は目が死んでいる

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なんというタイミングだと菊池は青くなる。櫻田が言った『入学式に爆弾』を本当にしかけるものがいるとは。 「さ、櫻田先生。まさか櫻田先生も未来予知を……?」 「未来予知はしていない、あれはただの願望」 「じゃ犯人は櫻田先生じゃ、」 「俺は夢持ってる生徒がうざいだけで生徒が傷つくことは望んでない。それより菊池先生こそ未来予知は?」 「それは見えてません!」 やはり菊池の能力は見えるものもあるかもしれないが、見えないものも多い。しかし今は気付いたか気付いていないかを論じている場合ではない。まず教師が考えるのは生徒の避難だ。 「爆弾がしかけられたのは講堂です! なんでも入学式準備のさい、犯人は業者を装って侵入ししかけたとか」 「なんということだ、もう新入生や在校生が講堂に集まっているというのに」 「即刻生徒達を校外に避難を!」 「駄目です、正門も裏門もマスコミとデモ団体がふさいでいます!」 ベテラン教師達は迅速に対処しようとするが、迅速がゆえに絶望するのもはやかった。爆弾の規模と、しかけられた場所はわからない。いつ爆発するかもわからないし、爆破予告をしただけで本当に爆弾がしかけられているかさえもわからない。 こういうときはまず生徒を逃がす事を考えるべきだが、門は団体にふさがれており、もしかしたらデモ団体に犯人がいて逃げた生徒を傷付ける恐れもある。 「俺が行きます。あと菊池先生も」 そんな絶望の中、櫻田は挙手した。ついでに菊池のことも指名しておく。 「他の先生方は爆弾の事は言わず、式の席が足りそうにないからとか言って生徒達を校庭に避難させておいてください。その間に俺達が爆弾を探します」 「そ、そうですね、櫻田先生と、未来予知の菊池先生ならきっと……」 教頭は頷く。櫻田の冷静な指示につられ、少しは冷静になれたようだ。 菊池も自分の能力から爆弾探しを期待されているとようやく気付く。そして走り出した櫻田の後を追いかけた。
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