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「櫻田先生、どうするんです! 私、未来が見えるっていっても見えてない時の方が多いし爆弾までは……」
「大丈夫、俺は見える」
「やっぱり先生も未来予知を?」
「俺なら隠されたものを見つけられる!」
走って職員室から講堂へ。そこからは生徒達にさとられないよう裏へと回る。そして櫻田は静かに自らの能力について語りだした。彼の、隠されたものを見る能力についてを。
「俺の目は死んでいるんだ」
「は、はぁ、それは見ればわかります。全然きらめいていない目です」
「そういう意味じゃない。機能的に死んでいるんだ」
え、と菊池は櫻田の目をまじまじと見た。櫻田も菊池の目を見ている。見えていないならこんな事はできるはずがない。でも彼は、菊池のスカートの後ろ、しつけ糸が見えていた。
「魔力を微粒子みたく小さく飛ばして物体にぶつける。その魔力の情報を視覚情報に変換。大量の小さい眼球を飛ばすようなものだ。だから本来見えないものが見える」
失明している彼が常人よりも見えている理由。それは魔力のおかげだった。魔力で見ていたならその人の視界にないものだって見れるはずだ。
講堂の裏口に櫻田はしゃがみこみ、見えないはずの目を閉じた。魔力を飛ばし始めたのだ。それも普段使わないくらい広範囲に。それで爆弾がどこに隠されていようが見つける事ができる。
「そ、それって、女の子のスカートの中も覗き放題なのでは?」
「……そんなものは覗いたことが無い。菊池先生、集中したいから黙ってて」
集中してはいたがそこだけは否定したい櫻田だ。だいたい櫻田は下着どころか下着の下でさえ、内臓だって胃カメラぐらいには見れる。
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