『あなたが好きです』

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「うん。帰ろっか」 「またそんなに沢山受けたのか?」 俺が預かったラブレターの元を鞄に仕舞っているのを見て、眉間に皺を寄せる龍矢。 なぜか龍矢は俺がラブレターの代筆をする事が気に入らないようだった。 俺の事心配してくれてるのかな? 数受けちゃうと流石に大変だからね。 できるだけ受けるようにはしてるけど、俺だって子どもじゃないんだからそのへんは考えて受けてるから大丈夫だよ? そんな気持ちを込めてにっこりと笑って「大丈夫だよ」と言った。 龍矢はそんな俺を見て一度何かを言いかけて止め、少し躊躇うようなそぶりを見せたがすぐに口を開いた。 「なぁ、その……お前宛てのとか、預かったりした事あるのか?」 「へ?俺宛て?ないないないない!あるわけないじゃん!」 顔を真っ赤にさせ慌てて両手を振って否定する。 「俺そんなもてないし!」 「そんな事ないだろうけど―――。なら、いい」 何でそんな事訊くの? 俺がラブレターもらったら龍矢……困るの? どうして……? 「行こうぜ」とすぐに背中を向けてしまった龍矢に目で問いかけてみても、当然答えなんか返ってこなかった。
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