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龍矢が俺を避ける理由もわからないままただ日にちだけが過ぎて行った。
そろそろクリスマスだ。
毎年龍矢と俺の部屋に集まってパーティをしていた。
今年は無理かもな……。
いや、今年から……か、と思い直す。
あれから龍矢が俺を見る事はない。
あれだけ一緒にいたのに、今は何の接触もなかった。
このまま俺たちは友だちでもいられないんだろうか・・・。
涙が溢れそうになるが泣いてはいけない、とぐっと堪える。
ふいに肩を叩かれて振り向くと同じクラスの佐々木が立っていた。
「あのさ、これ……。お節介かもしれないけど、僕も美浜君に代筆お願いしてうまくいったから。このまま見ないふりなんかできない」
佐々木はびりびりに破かれた紙の入ったビニール袋を俺の胸に押し付けた。
「なに………?」
「いいから、これ受け取って?絶対誤解してると思う、からさ」
「誤解?」
「うん。でもこれ以上は言えない。あとは美浜君の問題だから」
「………」
俺は何の事か分からなかったがこの袋の中身が俺にとって大事な物なんだと思った。
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