日陰の存在   児童期

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日陰の存在   児童期

松宮香澄。 私が7歳くらいの時、両親が離婚した。 詳しくは知らない。ある日突然父が居なくなって、そのままずっと会っていない。ただ、母がいつも働いていたのは覚えている。 うちが普通なんだと思っていたが、違った。 今思えば。田舎だからだろう。 よく近所の人の悪口、陰口を聞いた。 「松宮さんとこ、離婚したらしいよ」 「ご主人浮気していたらしい。」 「見た目的に意外。地味な感じだったし」 「私は、借金が原因と聞いたけど」 そういうよくある噂話から、 「奥さんが浮気したのよ?美人だから調子のったんじゃない?」 「香澄ちゃん、スーパーで万引きしたらしいよ。生活苦しいのかな」 悪意を含めた悪口まで。 私は、思っていた。 味方なんていない、と。
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