本領発揮の変態紳士

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デートって行く前から こんなに難易度高いのか? 私は恥ずかしくてまだ 熱い顔の熱を外気で 冷やしながら駅に向かった。 待ち合わせの改札前に 行ってみると、 そこにはすでに 待ってる若宮くん。 今日はキャラメル色の モッズコートをお洒落に 着こなしてます、 やっぱ背高いと何着ても かっこ良く見えるわー、 って、 あれこれノロケ? ・・・・・まじで 私の頭の中やばいかも。 今のノロケだろ、 どう考えても!!! 私が自分のお花畑な 脳ミソにため息を ついていると、 若宮くんがこっちに 気付いたみたいだ。 いつかの時みたいに 若宮くんは、 「あずさ先輩っ!」 って嬉しそうに 笑いながら大声で 私の名前を呼んできた。 こいつ何も変わってねぇ! 「あずさ先ぱ、」 「はいはいはいはい、 こんにちは、若宮くん!」 私は慌てて若宮くんの元に 駆け寄ると、若宮くんの 口に自分の手を当てた。 口を塞がれた若宮くんは キョトンとした顔でこっちを 見下ろしてる。 「?? せんぱい?」 「あのさ、大声で名前 呼ぶのやめなって(笑) 恥ずかしいんですけど。」 私が苦笑いしながら 言うと、若宮くんも 恥ずかしそうに苦笑い してきた。 「ああ、すみません。 あずさ先輩見ると なんか、その 嬉しくて、 勢いで声かけたく なっちゃうんです。」 迷惑ですか?と 尋ねてきた若宮くんは 伏し目がちで、 少しだけ、頬が赤い。 ・・・・こいつ かなり可愛いぞ、 まじで。 「・・・迷惑って わけじゃないよ。 まあ、 うん、 うん(笑)」 ほんとは迷惑っちゃ 迷惑だけど、 若宮くんの恥ずかしそうに してる顔見てたら注意する 気失せたわ。 私がフッと小さく笑うと、 若宮くんもふわりと微笑んだ。 駅でなーにやってんだか、 私たち。 なんか、 いっちょ前にカップル してて、ビビるな。 とりあえず改札を通って ホームにつくと、 電車が来るまで10分。 私はここに来てなんだか 落ち着かなくなってきた。 これって、 『デート』なんだよな? 男女が二人で出かけて 恋人っぽいことする やつなんだよな? 私は今、その『デート』を してるんだよな?? 若宮くんと。 ・・・・やばい、 恥ずかしさで死ねるかも。
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